天然殺蚊トキシンを用いた新たな防蚊システムの開発

背景・目的

蚊は様々な病気(マラリアやデング熱など)を媒介する運び屋で、効率的な蚊の防除は蚊媒介性感染症の流行を防ぐ防波堤となる。しかしどこでも発生する蚊の防除は難しく、安全と効率を両立できる方法の確立が急務である。本事業は天然の殺蚊トキシンを利用して、安全且つ効率的な蚊の防除システムを構築しようとするものである。

 

活動の概要

本事業ではヒトや環境に対する負荷が少ない土壌細菌由来の殺蚊トキシンを利用する。新規な殺蚊トキシンの探索や既存のトキシンを組み合わせて殺虫効果を増強(シナジー効果)する試み、作用機構(標的組織細胞膜上にチャネル形成)の解析と既存のシングルチャネル解析を発展させた画期的なスクリーニングシステムの開発を進めている。

 

期待される効果

本事業はマラリアやデング熱などの蚊媒介性感染症対策、特に水関連災害後に大量発生する蚊の防除、化学殺虫剤使用量の削減による陸域及び内陸淡水生態系、都市環境の保護にも寄与する。また効率的なスクリーニング技術の開発は生物資源利用効率を向上させ、地域産業の活性化にも寄与すると期待する。
 

© Okayama University

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