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私たちは、Society 5.0における持続可能かつ効率的な医療の実現を目指しています。そのために、医療ビッグデータの活用を通して現状の医療活動や疾患の動向について明らかにすることにより、未来の医療に繋げたいと考えています。方法としては、医療に関するレセプトデータ、副作用データなど様々なデータを疫学的な手法で解析しています。
これまでに、私たちは副作用データベースにドラッグリポジショニングの方法を用いることで抗がん剤で副作用が出やすい人の特徴を明らかにし、より安全な医療に貢献しました(JAMA Oncology, 2019)。また、過去の研究をsystematic reviewの方法で統合することで、より信頼できるエビデンスの構築も行っています(Scientific Reports, 2017)。レセプトデータを用いては、高齢者で問題になっている多剤処方の動向(J Am Geriatr Soc. 2018)、多剤耐性菌の出現も心配される風邪への抗生剤投与の動向(Fam Pract. 2018)を明らかにしました。疾病構造の変化については、人口動態データなどを用い、国際的に撲滅を目標とする結核の日本国内における動向の詳細 (Epidemiol Infect. 2018)を明らかにしてきました。
多様な医療データを活用することでこれまでにない、新しい視点のエビデンスを発信することで、SDGs推進とSociety 5.0のの実現に貢献していきたいと日々研究に励んでいます。今後は、国際的な医療活動や疾患の動向についても明らかにすることを進めていきます。これによりSDGsを推進するための政策策定にも今後活用可能な、より正確な情報を提供していきます。