社会の中で自分らしく生きる基礎力を身につける心理教育 ″サクセスフル・セルフ″

 こころの問題を予防したり対処したりする力を高めたり健康行動を保持増進したりするこころの健康を育む活動を、実証的な研究結果を基盤にして開発した心理教育“サクセスフル・セルフ”を活用して、2005年から実践しています。
 心理教育“サクセスフル・セルフ”では、こころの問題へのアプローチとして臨床心理学、心理社会的発達の視点として発達心理学、健康行動学的なアプローチとしてヘルスプロモーションを基盤に、自己理解および他者理解を深め、自己コントロール、社会的適応、ほどよい人間関係の構築・維持、自己効力感等の肯定的変容、うつなどの心理的問題やいじめやハラスメントなどの行動上の問題を予防する対処力の保持増進といった、こころの健康を予防したりこころの問題に対処したりする力を高め、社会の中で自分らしく生きる基礎力を身につけることをめざしています。
 具体的には、自己省察による自己理解、問題解決法による問題への対処と解決、ソーシャルスキルによる人間関係の力をつけることを目的に、感情面、認知面、行動面に働きかける心理教育を行います。心理社会的発達段階に合わせて、小学生、中学生、高校生、大学生、大学院生など学生、新人およびキャリアのある新任医療従事者、新人保育者、新人教員など対人援助職を対象にした取り組み、学校や医療機関等で、主に集団で行われています。
 たとえば、学校での取り組みでは、学校全体の取り組みとして学年ごとに協働してクラス単位で行われています。この取り組みを通して、学校社会適応、自己コントロール、問題行動の誘いを断る自己効力感、社会性、対人関係の自己効力感の向上、いじめ等の攻撃行動を行った経験やいじめを受けた経験といった問題行動の減少、抑うつ気分の低減等気もちの安定が示されています。
 多職種新人・新任医療従事者を対象にした取り組みでは、多部署が協働して病院全体の取り組みとして、継続実施しています。その結果、多職種新人医療職のこころの不調による離職は低率でとどまっています。

 

社会の中で自分らしく生きる基礎力を身につける心理教育"サクセスフル・セルフ"

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担当者

© Okayama University

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