現在、日本の農業は、就農者の高齢化、後継者不足と市場の縮小といった課題に直面しています。高級果樹の桃やぶどうの生産量や全国シェアが高く、ブランド力も高いという特徴を有し、桃やぶどうの一部の品種は,ほとんどが岡山産という状況です。しかし、同様の課題を抱え、中山間地域の人口減少やそれに伴う地域社会の消滅危機が大きな課題となっています。
この課題の解決に取り組むべく、岡山大学は岡山県をはじめとする地元自治体、県内外企業および農業団体等と連携して、「ダイバーシティ農業による地域イノベーション共創拠点」を提案し、文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に2022年に採択されました。
本拠点は、「ダイバーシティ農業」を推進し、多様な農業形態の創出により、新規就農者の増加につなげ、ウィズ/ポスト・コロナ時代に対応した「持続性のある農業・農村と農業を起点とした持続可能な地域社会」を実現することを目指します。「ダイバーシティ農業」とは、様々な事情やニーズを持った多様な新規・既存就農者らが就農の際に直面する課題を克服し、多様な形で就農できるようにするオーダーメイド型の農業で、就農者の能力を高める農業DXを促進することでスマート農業を超えた人間本位の新しい農業を創出・展開していきます。本拠点では、まずは岡山の特色の一つである果樹農業(桃)に注目し、足腰が強く多様性に富んだ「活力あふれる地域社会」の実現を目指します。