取組概要
岡山大学ビジョン3.0として「ありたい未来を共に育み,共に創る研究大学」の下,SDGs大学経営を一層加速し,サステナビリティとウェルビーイングを追求する大学として,地域全体の災害に対する強靭さ(レジリエンス)を高める目的で,地域との協働型防災訓練を企画。
平成31年に本学と岡山市の間で,災害時において岡山市民の安全を確保するために本学の施設の一部を一時避難場所とする協定を締結している。
この一時避難場所である体育館を会場として,地域の方及び学生・教職員を対象に,自衛官による防災講話と,災害時に役立つ手法体験学習を実施。そのほか,岡山市備蓄食糧給付事業を活用した食糧配給訓練を実施。
今回,地域の方,防衛省及び岡山市と協働した防災訓練であり,今後も各機関と連携し地域の防災への貢献を図る。
以上のとおり地域の方,各機関と共に災害に対する強靭さを創る協働型防災訓練を10月27日に実施。
取組効果・成果
今回の防災訓練は,地域の方(町内会),防衛省(自衛隊),岡山市(危機管理室),岡山大学と多様なステークホルダーとの協働訓練である。
あらゆるステークホルダーが防災に参加し,互いに連携することで,地域全体が災害に対する強靭さを得ることができる。さらにそれぞれに予算的な負担もないことから,非常に高い費用対効果での実施となる。
また,実施日には災害時に活躍する自衛隊車両の展示・実演,災害派遣時のパネルが展示され,見学することができる。これらを実際に見たり,体感したりすることで,参加者の防災に関する意識をより高める効果がある。
SDGs達成への貢献度
様々なステークホルダーとの協働訓練であり,公的,官民,市民社会のパートナーシップを推進し,それぞれの経験や資源戦略を基に効果的に実施できる。
また,この取り組みにより地域全体の災害に対する強靭さ(レジリエンス)を強化する。
備蓄食糧給付事業は,ローリングストック(賞味期限を迎えるものを配付)の目的もあり,当該事業を利用することによって,フードロス削減にも貢献することとなる。
新規価値創造性
平成31年に本学と岡山市との間で一時避難場所の協定締結後,一般の方が第二体育館を見学できる機会は初めてである。
災害派遣等で実績のある自衛官による防災講話実施等の防災学習,及び岡山市が備蓄している食糧の配給・試食体験は初めてである。これら実践的な外部研修を利用し学ぶことで,災害に強い組織体・事業継続へつなげることができる。
協働性
地域の方(町内会),防衛省(自衛隊),岡山市(危機管理室)及び,岡山大学による4者の協働訓練。
岡山大学が防災訓練の機会を提供し,行政と地域がそれぞれの役割を理解し互いに連携することで地域の防災強化の効果がある。
協働により,費用が発生しない防災訓練であり,4者がWin―Win―Win―Winとなる企画である。
持続可能性
地域全体の災害に対する強靭さ(レジリエンス)を高めるためには継続した取り組みが必要であり,課題等はない。
しかし,本学施設の近隣が対象では限られた方のみになるため,この防災訓練が岡山市等のモデルとなるような取り組みとし,他の地区でも協働の防災訓練が実施される企画となるよう検討したい。
包摂性
岡山大学と岡山市の協定により一時避難場所が定まっているが,実際に避難する地域の方が施設を確認する機会はなかった。
防災訓練を通じて多くの人が一時避難する場所を見学し,備蓄食糧配給等を体験することによって,防災に対する高い意識を得ることができる。
岡山大学や地域の方が自衛隊と連携した取り組みについて機会がなかった。
今回,自衛隊が自然災害等の対応のため訓練に励み,危機管理や非常時のノウハウを培ってきたことを,実践的な防災訓練として地域の方,学生等に提供することで,防災意識の向上等に貢献することができる。
◎本取組は
2022年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)優秀賞を受賞しています。取組発表会の様子は以下の動画でご覧ください。
令和4年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)取組発表会「SDGs × 防災 ー地域との協働型防災訓練ー」
自衛隊岡山地方協力本部による「災害から身を守る」ための講話
自衛隊災害派遣パネル展示
備蓄食糧 試食
自衛隊装備品展示
自衛隊車両展示