光をくすりへ!?

取組概要

 医薬品(くすり)は、「生命機能の制御」を通じて、多くの命を救ってきたものの、新薬の研究開発には巨額の費用と長い年月を要し、かつその成功確率は極めて低いことが問題となっている。
 申請者は、1999年4月に北海道大学薬学部生物物理化学研究室(加茂直樹教授)に配属されて以降、一貫して「光で生命機能を制御=光をくすりへ!?」を実現するための基礎・応用研究を行っている。具体的には、自然からの光受容タンパク質「ロドプシン」の単離・同定や機能・構造解析を基盤とした光による生命機能制御(細胞運動、脳神経応答、細胞死等)を実現している。地球上の全ての人々に「光」という名のくすりを届けることで、人々の健康と福祉に貢献するとともに、植物・微生物への適用を通じて、エネルギー問題にも貢献する。
 

取組効果・成果

 申請者は光受容タンパク質「ロドプシン」を対象に以下の成果を得てきた:
『1. 探索』様々な自然環境(塩湖・温泉・工場・深海・鉱山・河川等)から、常識を覆す新奇ロドプシン(300種類以上)を発見し、多様性を大きく拡張。
『2. 解析』様々な時空間領域での構造・構造変化の解析から、新たな機能を発見。
『3. 操作』1.2を基盤とした生命機能(神経活動、運動・成長、細胞死等)の光操作に成功。
 以上は原著論文114報 (5.0報/年:直近5年間で39報),総説・解説38報 (約1.5報/年)、特許出願5件、招待講演130件 (約5件/年),メディア掲載・受賞 (注目論文,表紙論文,文部科学大臣表彰等),研究費獲得【代表:さきがけ, CREST, 若手 (A), 基盤 (B)×2, 萌芽×2、新学術/特定領域研究×8】に結びついており、分野のリーダーとして認められている。
 

SDGs達成への貢献度

【動物への適用】
 途上国を含めた世界各国において安価・安全で供給可能な医療が実現する未来へ貢献する(3-8)。
【植物・微生物への適用】
 再生可能な食料やエネルギーの確保(7-2)やその効率の大幅な上昇(7-3)につながる未来へ貢献する。
 

新規価値創造性

 光はありふれたエネルギー源であり、情報源である。光をくすりとしてとらえ、「動物・植物・微生物」などあらゆる生物に適用することで、持続可能で安全・安心な未来社会の創造が期待される。
 

協働性

 「光をくすりへ!?」を旗印に、これまでに300名を越える国内外の研究者・学生と協働して研究を行ってきた。
 

持続可能性

 社会実装が大きな課題である。その克服のため、5件の特許取得/出願(特願2020-70136、PCT/JP2021/043071、特願2021-89800、特願2021-153788等)を行うとともに、これらをテコに岡大知財部と連携しながら、各種企業(秘密保持契約を含む)と共同研究を行っている。また、市民講演会や各種学会/学会誌において、社会へのアピールを行っている。
 

包摂性

 研究室の学生やポスドク・助教のみならず、小中高大への出前授業や集中講義、各種プレスリリース、依頼記事執筆等を通じて、未来を支える若者達に、広く自然科学や薬学、さらには岡山大学の認知度を高め、そのステータスの向上に貢献していると自負している。


◎本取組は2022年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)奨励賞を受賞しています。取組発表会の様子は以下の動画でご覧ください。

令和4年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)取組発表会「光をくすりへ!?」

 

担当者

© Okayama University

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