社会的背景
「フレイル」とは、加齢により心身が衰えた状態のことである。適切な介入を行えば、元の健康な状態に戻ることも可能と言われている。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険性もある。また、「オーラルフレイル」は、口腔機能の衰えを表す概念で、栄養摂取不良を招き、サルコペニア(筋力の低下)、要介護状態につながる一因とされている。そのため、介護予防事業の二次予防事業対象者への介入として、口腔体操が多く用いられている。しかし、口腔体操の標準化は遅れており、その効果は十分に検証されていない。
活動の目的
フレイル期、あるいは前フレイル期の高齢者に対して、口腔機能改善プログラムを実施することで、口腔機能はもとより、身体機能の低下を予防・改善できるのかについて検証する。
活動の概要
岡山大学病院予防歯科外来を受診する60歳以上の患者のうち、フレイル期、あるいは前フレイル期の方を対象として、口腔機能改善プログラムを実施する。プログラム実施前後で口腔機能および身体機能がどのように変化するかを調査する。
期待される効果
口腔機能改善プログラムにより、口腔機能低下および身体機能低下を予防・改善することが出来れば、介護予防につながり、健康寿命の延伸が期待される。