水素脆化に強い材料の開発

近年、自動車の軽量化や衝突安全性能の要望の高まりとともに自動車用に使用される鋼板の高強度化が進められています。特に、引張強さが1500MPa以上でかつ高い延性を有する革新鋼板の開発が行われています。しかし、鉄鋼材料はその強度が高くなるほど、水素脆化(遅れ破壊)感受性が高まることがよく知られています。引張強さが1500MPa以上では自動車が使用される大気環境において、環境から鋼板中に水素が侵入し、水素脆化による割れが発生します。

このため、1500MPa級の自動車用鋼板を使用するにあたり水素脆化による割れ発生の危険性を適切に評価・予測可能な技術が必要となるとともに、水素脆化を抑制する技術開発が必要となっています。

本研究では、鋼材にニオブ、モリブデン、シリコンなどを添加し、焼入れ焼もどし等の熱処理を施すことにより、水素をトラップする材料組織制御技術を明らかにしました。特にナノレベルの微小析出物が素材のマトリックス内に均一に分散させることにより、多くの水素を凝集することができました。この結果、水素脆化を緩和することができました。この水素凝集効果は応力条件と強く影響しており、現在、この水素凝集のメカニズムを数値計算等を用いて検討しています。

 

熱処理により生成した析出物により引張強度が増加している。

三次元アトムプローブによる分析結果、NbC(析出物)に水素がトラップしている。

担当者

© Okayama University

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