多職種連携による聴覚障がい児・者支援と孤立防止

社会的背景

近年、聴覚障がい児の乳幼児期の医療・療育の充実は実現されているが、学齢期以降は十分とは言い切れず、学校生活で問題があっても適切な支援や指導がされていないことが多い。就労に関しても不適切な雇用状況である聴覚障がい者は多い。成人や高齢の聴覚障がい者の補聴器装用率が低く、社会生活から取り残される傾向が強い。更にCOVID-19対策(マスク着用、アクリル板設置、ソーシャルディスタンス等)により聴覚障がい者のコミュニケーションの状況は悪化している。

 

活動の目的

聴覚障がい児・者が情報獲得やコミュニケーション、社会生活において周囲から取り残されない、公平性が確保された社会基盤の形成を目標にしている。

 

活動の概要

療育・教育、医療、行政、企業等、多職種による協働体制(IPW)を構築した。まず多職種連携教育(IPE)を実施した上で、①学齢期支援、②大学入学者支援・活用、③教育者育成・再育成、④就労支援、⑤成人~高齢者のコミュニケーション支援などすべての年齢層で、多面的な対策を計画した。学内外の多職種での情報共有、指導書の作成・配布、教育関係者や一般の人々への情報発信、就労者への指導等活動を開始している。また、「聴覚障がい者に対する 多職種連携による 社会的孤立・孤独の予防と社会的ネットワークの構築」として、2021年10月27日、岡山大学とOHKでの連携協定締結を行い、情報を発信する予定である。
 

期待される効果

聴覚障がい者への支援及び指導だけでなく、支援者への教育、一般人への正確な情報提供を行うことにより、障がい児・者が共生しやすい社会基盤の形成が期待できる。また得意な分野を生かすことにも着眼し、聴覚障がい児・者の社会参加・貢献を実現し、前向きで充実した生涯を送れることを目指している。
 

          

 

IPWによる聴覚障がい児・者支援と孤立防止実施体制

© Okayama University

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