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土壌は陸域最大の炭素貯蔵庫で雨水貯留や環境緩衝などの機能を持ち、地球温暖化の影響を軽減しています。しかし管理の粗放化と気候変動の影響で劣化し、表土が流れ、有機物が失われています。土壌間隙にはマクロポア・ミクロポアという二重構造性があり、植物の根を模した人工マクロポアをつくることで浸透を促進して水をため、植生を復活させ、有機物を効果的に蓄積させることを考えています。
一年を通じて野外実験を行うと、効果的に水をため、土壌有機物が増加しました。また、一部で植生の回復が見られ、技術的に大きく発展をすると考えました。これを劣化土壌地に施せば、計算上、陸域炭素収支の2割、つまり大規模植林と同程度の炭素貯留効果が想定されました。
普及に優れた技術で、土壌環境修復と同時に排出権取引または技術供与に対するオフセットが期待されます。
http://www.eme.okayama-u.ac.jp/Sections/Land/cv_mori.html
左:自然の土壌間隙のX線写真。植物根跡で形成されたマクロポアが見える。 中:人工マクロポアの設計。中心には浸透を保証する繊維状物質を挿入する。 右:シミュレーションで予測された下方浸透。何もない部位よりも浸透が速い。
左側が人工マクロポア区、右側が無処理区。 緑色が濃いのがわかる。植物バイオマスとして大きく、同時に土壌有機物も増加した。 また、浸透に優れるため、表面流を減らし、土壌流亡も回避している。
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