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社会の安全や安心を支え、材料の軽量化によるエネルギー消費に貢献するプラスチック材料として、耐熱性、力学特性、化学安定性などに優れている高性能プラスチックが重用されている。しかし、現在使用されている高性能プラスチックは、全て石油を原料として製造されている。資源循環型社会の構築、地球温暖化対策や石油枯渇問題など喫緊な問題を考えると、高性能プラスチックにおいても石油を原料とせず、再生可能な資源であるバイオマスからの調製を考えなくてはならない。しかし、高性能プラスチックの原料となるバイオマス由来の化合物は少なく、研究例は多くない。
我々の研究グループでは、バイオマスから誘導される1,4-フランジカルボン酸(FDCA)を原料として全芳香族ポリエステルや芳香族ポリエーテルケトンなどを合成することに成功し、高性能プラスチックとして利用できることを明らかにした。特に芳香族ポリエーテルケトンは、従来法では高分子量体は合成できず、イオン液体中で重合するという新たな方法を開発することで、初めて高分子量体を調製することが可能となった。FDCAを中心に据えて、様々な高性能プラスチックを調製し、その性能を明らかにすることで、石油依存の合成方法からの脱却が可能となる。資源循環型社会の構築への貢献や炭酸ガス排出抑制による地球温暖化への貢献による持続的開発を目指す。
http://www.ecm.okayama-u.ac.jp/polymer/index.html