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地球上で車や工場から廃棄されている熱エネルギーは膨大な量に及び、一部では温暖化を引き起こす原因ともなっている。このような熱エネルギーを回収して電力に変換する技術として熱電発電が知られているが、現状ではコスト面の課題をクリアできておらず、社会への普及を阻む障害となっている。本研究では、2008年に日本で発見された「スピンゼーベック効果」と呼ばれる全く新しい熱電発電現象を用いて、安価な熱電発電素子を開発することを目指している。現在までに、酸化物磁石と金属だけを組み合わせたスピン熱電発電素子で発電できることを実証している。これは、既存の熱電発電素子(p型とn型の半導体に電極を組み合わせた複雑な構造)と比較すると極めてシンプルな素子になっており、発電効率を向上させれば社会普及の可能性が一気に高まる。
廃熱による電力回収できる社会の実現に向け、現状では、エネルギー変換効率の向上が最優先の課題である。現在、高温領域でのスピン熱電発電素子の特性評価を試み、熱起電力が磁化の温度依存性に比例することを突き止めた。
http://www.physics.okayama-u.ac.jp/~adachi/
担当者