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我が国には、老朽化の進む橋梁が多数存在し、それらを適切に維持・管理して長寿命化することが、今後も安全で快適な国民生活を支えるうえで欠かせない。超音波探傷試験は、橋梁部材の損傷(き裂)を検出、評価するために用いられる非破壊検査技術の一つで、内部き裂の評価に有効といわれている。しかしながら、検査の正確性が熟練検査者の経験や技術による点に問題があり、より客観的かつ定量的な試験法とすることが求められている。
本研究では、近年の計算機処理能力の劇的な向上を最大限に活用し、超音波探傷試験のプロセス(超音波の励起、伝播、傷散乱、受信、エコー波形処理と可視化)全てを、数値シミュレーションで再現する取り組みを行っている。
このような取り組みが成功すれば、超音波探傷の高精度定量化につながるだけでなく、新たな検査法の創出や、検査実施計画の最適化にも有用であり、ひいては、鋼橋の損傷検査業務を効率化し、経済的・人的なコスト削減に貢献することができると考えられる。
円形空洞(A~E)を含む固体内部における、超音波の反射・散乱シミュレーション
シミュレーションで得られたエコー波形から同定した空洞位置(時間反転逆散乱イメージングの例)
担当者