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化石燃料に依存せず、CO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの必要性が迫られており、水素エネルギーを利活用する水素社会の実現が期待されている。しかし、水素は水素ガス(H2)の形では地球上ほとんど存在せず、水のように化合物として存在するため、なんらかの形で取り出さねばならない。現在は工業的にはメタンと水蒸気を高温で反応させて水素を取り出しているが、二酸化炭素の副生を伴ってしまう。植物の光合成を模倣し、光触媒を使って、太陽光エネルギーとありふれた物質から、CO2を排出せずに有用な化学物質をつくる人工光合成が注目されている。しかし「水素社会」を 支えるCO2を排出しない水素製造法について、成熟した技術があるとは言えない。
本研究では、CO2を排出しない水素製造法の新技術を開拓・成熟させることを目的に、太陽光エネルギーを使って、水(H2O)から水素エネルギー(H2)を得る人工光合成に利用可能なカーボンナノチューブ光触媒の開発を行っている。現在までに、カーボンナノチューブ光触媒を用いた水の完全光分解に成功しており、カーボンナノチューブの光吸収帯(550ー1150 nm:従来では利用が困難)を利用できれば、理論的に太陽光エネルギー変換効率50%を達成することが十分可能であると予想されており、水素社会を支えるクリーンな水素エネルギー製造法として期待が持たれる。
http://www.ecm.okayama-u.ac.jp/organic/
担当者