酸化鉄と量子効果を用いた新太陽電池の研究

人類が用いるほとんどのエネルギーは太陽から供給されている。化石燃料も太古の時代に蓄積された太陽エネルギーの一部である。人類が用いる全てのエネルギー循環を太陽エネルギー利用に再編成する作業は、地球が持つエネルギーエコシステムとの整合を考え必然である。このため太陽光発電技術の進化は実施すべき課題となっている。また地球上のエネルギー資源は偏在している。これは産業発達の地域差を生じ、経済や衛生の地域格差あるいは地域紛争の原因ともなる。現在の技術ではエネルギー源を地球上に万遍なく分布させることは困難だが、低価格な太陽電池を広く普及できれば、そういったエネルギーの偏在とそれに起因する諸問題を解決しうる。

こういった課題のもと我々は、安価な太陽電池の形成技術を研究している。ここでは酸化鉄という遍在性の高い素材を用いることと、電子相関効果で形成した電荷秩序の光量子崩壊現象を用いることが特徴である。この研究推進のために企業数社とともに技術研究組合法人 酸化鉄太陽電池技術研究組合を編成し、共同研究を実施している。

 

© Okayama University

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