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自然災害への対処として、「減災」や「縮災」に向けたアプローチが提唱され、ハード・ソフトの両面において施策がなされている。しかし、アジアのような災害の多い地域では、災害を除去・緩和する「工学的(および計画学的)」アプローチだけでなく、災害とともに生き、あわよくば利を得るというような、庶民によるしたたかな「適応」アプローチも、社会レジリエンスの強化の観点から有効ではないかと考える。
災害の多い国であるベトナムと日本で、自然災害(特に洪水関連)への公的・共的・私的な対処(事前・事後を含む)を比較し、それらの根拠となる科学的知識・在来知の保有・利用状況や、他の社会政治的な要因との関係性を解明することで、上記の「適応」アプローチの有効性と課題を検証する。そして、両国においてどのような側面でこのアプローチが適用可能かを考察し、自然災害とともに生きる「地域力」の養成に向けた方策を検討する。
ベトナムにおいては、洪水や気候変動への適応に関する調査をある程度進めている。今後は、調査分析をさらに進めるとともに、比較対象として日本の事例を検討し、両国での「適応」アプローチの可能性と課題、「地域力」の養成に向けた方策を検討する。災害多発国として両国がお互いに学びあい、災害協力に向けたパートナーシップを醸成することが期待できる。
担当者
Nguyen Cong Dinh