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国際環境認証制度は、国際的に取引される製品が、環境(や社会)に配慮した製品であることを示すことで、消費者及び企業に環境問題への取り組みをうながす民間主導の自主的な制度である。食品や油、木材、コーヒーといった一次産品を中心に欧米で普及が進んでいる。しかし、成長著しいアジアでの普及が進んでいないことや、認証取得に費用がかかるために途上国の小規模生産者や商人に不利であり、彼らの貧困削減を阻害するといった課題を抱える。
自然破壊の元凶とされてきた養殖エビを事例に、①生産国であるベトナムでの現地調査から、国際環境認証制度が商品連鎖の川上(から川中)である生産・流通の現場に入ってきたときの小規模生産者や商人の対応と、制度参加の可能性を検討する。 次に、商品連鎖の川下に位置する日本において、②これらの国際環境認証制度の日本における普及状況や、普及の阻害要因を探る。最後に、③関連企業や消費者、NGO等に協力を仰ぎながら、生産現場の貧困削減に貢献するための認証制度のありかたとその普及戦略を探っていく。
①は、既にある程度調査が進んでいる。今後は①を継続しつつ、②と③を中心に実践的な視点から活動を実施していく。グローバルな制度を「グローカル化」するための提言と、制度の企業や消費者への普及を図ることで、貧困削減に貢献する持続的サプライチェーンの構築に資することが期待できる。
担当者
渡邉 大樹