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途上国では、実体験に基づく基礎医学教育が未だ困難である。他方で我が国では、基礎医学分野での優秀な大学院生の獲得に課題を抱えている。
途上国の基礎医学教育に関わる教員を育成して、途上国において実体験に基づく医学教育システムを確立する。我が国では、優秀な大学院留学生を継続的に獲得して、質の高い医学教育と研究を持続的に展開する。
本学では、1987年より岡田 茂名誉教授、木股 敬裕名誉教授が主導してミャンマーとの国際協力が展開されてきた。これを持続的な医療系高度人材の養成に拡大するため、2012年より屋根瓦方式の留学生受入れを開始した。今では、ミャンマー、インドネシア、タイ、ベトナムの大学教員を博士課程留学生として大学院医歯薬学総合研究科 医歯薬学専攻に、学部学生を特別聴講学生として医学部医学科に受入れている。
教員留学生は自らの研究を行いつつ、学部留学生が履修する実習/演習科目で教育実習を行う。帰国後、教員留学生は実習/演習教育の指導的教員となり、学部留学生は下級生に留学体験をプレゼンする。教員留学生⇒学部留学生⇒教員留学生という循環型の留学システムを確立・実践しつつ、医療系高度人材を養成する。
ミャンマーから、教員8名を大学院生として受入れ、60名の学部留学生を対象に教育実習を実施した。インドネシアから、教員6名を大学院生として受入れ、28名の学部留学生を対象に教育実習を実施した。タイから、教員1名を大学院生として受入れ、2024年度にはさらに教員1名、学部留学生2名を受入れる予定である。ベトナムから、教員3名を大学院生として受入れ、学部留学生の受入れを目指している。
教員留学生は医歯薬学専攻(博士課程)で単位化された「医学教育実習」を履修し、実習科目と演習科目の指導スキルを獲得した。学部留学生は、特別聴講学生として「基礎病態演習」または「医学研究インターンシップ」などの特色ある授業に参加した。