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生体に病原性の細菌やウイルスが侵入すると、生体が持つ免疫系が応答しそれらを排除する。しかしながら、病原体に対する免疫系が十分に働かない場合は病原体を排除できず、感染の重症化へとつながる。一方、過剰な免疫応答の活性化は自己免疫疾患といった疾患の原因ともなる。そのため適切な免疫応答の調節が生体にとって重要である。
樹状細胞は生体に侵入した病原体を取り込み、それらをMHC分子を介してT細胞へと提示することで、病原体に対する特異的な免疫応答を誘導する。また生体内で発生したがん細胞に対しても同様に、樹状細胞が免疫応答を誘導することで生体内から排除する。さらに樹状細胞によるT細胞活性化は、病原体などへの再感染を防ぐ免疫記憶にも必要である。そのため、樹状細胞による免疫応答の活性化、およびその調節メカニズムを明らかとすることは疾患治療やワクチン開発において重要である。
私たちは、樹状細胞における抗原提示に必要な分子や、病原体由来抗原の細胞内輸送機構に着目することで、免疫応答の調節メカニズムの解明を目指している。さらにそれらをターゲットとすることで、感染症やがん細胞を標的として、新規医薬品やワクチンの開発につなげたい。
免疫応答における樹状細胞の役割
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