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火山の噴火は、大量の火山灰と火山ガス粒子を高層大気に持ち上げます。これらの粒子は太陽光放射を遮り、「火山の冬」と呼ばれる気候変動を引き起こします。例えば、1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火は北半球に冷夏をもたらし、日本でも米が記録的な不作になりました。
火山の噴火は、上昇するマグマの脱ガスと、マグマから離脱して気泡になったガスの急激な膨張の過程として理解できます。わが国では現在、レジリエントな減災機能強化の一環として火山の遠隔モニタリング体制の整備が進められていますが、モニタリングデータを解釈するためには、マグマの脱ガス過程の基本的な理解が必要です。
私は高温高圧のマグマーガス系を実験室で再現し、マグマの脱ガス過程を定量的にモデル化することを目指しています。このモデルをモニタリングデータに適用すれば、モニタリングでは直接見ることのできない地下のマグマーガス系の状態を把握する能力が向上し、噴火災害の減災に役立つと考えています。
マグマーガス系の再現実験
温度と圧力を変化させながら、マグマの脱ガスの、いわばスナップショットを撮る。これを集めてアルバムを作り、系の状態変化を把握する。
a. アナログ系を使ったその場分光観察
b. 高温高圧から急冷凍結
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