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2025.03.31

「岡山から万博を盛り上げたい!~「万博」を通して広がる活動~」

工学部 工学科環境・社会基盤系 都市環境創成コース髙橋 章一郎さん

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Profile

茨城県常総市出身
「OU!万博」代表
岡山大学SDGsアンバサダー

 今回のSDGs Personsでは、岡山大学「SDGsアンバサダー」が中心となって立ち上げた団体「OU!万博」の代表である髙橋章一郎さんにお話を伺いました!
 「OU!万博」は、「岡山から万博を盛り上げたい」という思いで2024年1月に結成した団体です。2024年12月14日には、「大阪・関西万博と岡山の魅力を伝える」ことと、「学生一人一人の『考える』を深める」ことを目的として、「岡山EXPOフォーラム 万博と私たちの未来」を開催しました。パネルディスカッションや、岡山・関西で活躍する団体によるブース出展、世界と岡山のグルメが楽しめるキッチンカーなど、「大阪・関西万博」(以下、万博)への機運を高められるコンテンツが目白押しのイベントとなりました。詳細はこちらのリンクをご覧ください。

 ※「SDGsアンバサダー」とは、岡山大学SDGsについて知り、それを出来るだけ多くの人に共有し、自らの興味・関心に基づきSDGsを「自分ごと」として取り組むことをのく的とした、大学公認の制度です。詳細はこちらのホームページをご覧ください。


「岡山EXPOフォーラム 万博と私たちの未来」
 

初めての団体運営とイベント準備

――はじめに、「OU!万博」を設立した経緯について教えてください。

 元々は、SDGsアンバサダーの先輩たちと共に、日本経済新聞社の方に「岡山から万博を盛り上げよう」というイベントの企画を持ち込んだことから始まりました。そのイベントを引き継ぎ、成功させるために立ち上げた団体が「OU!万博」です。
 当時、新型コロナウイルスの影響でSDGsアンバサダーの活動が下火になってしまっていて、SDGsアンバサダーをもう一度盛り上げようと、先輩たちとイベント企画を考案しました。地元の茨城県では万博の話題を聞かなかったのですが、関西に近い大学に来て万博という言葉をよく耳にするようになったため、せっかくなら万博を盛り上げる活動もしてみたいと思ったのがきっかけです。
 その後、一緒に企画を持ち込んだ先輩たちの卒業などにより、自分がメインとなって引き継がないと誰もやる人がいない状況になりました。日本経済新聞社主催の万博関連のイベントに参加して、今まであまり知らなかった万博の魅力を知り興味を持ったことや、「0から自分でチャレンジがしたい」という思いがあり、企画を引継ぎ「OU!万博」を立ち上げることを決めました。

 

日本経済新聞社主催のイベントに参加する「OU!万博」結成メンバーと狩野副学長

――設立した中で苦労したことはありますか?

 「新しい団体を作り運営していくこと」と、去年は特に12月14日のイベントに向けて動いていたので、「イベントに間に合うよう準備していくこと」という2つの未経験のものを同時に進めることが大変でした。
 「新しい団体を作り運営していくこと」について、2024年1月に友人5人を集めて立ち上げましたが、2024年4月の新歓で新たに39人が加入してくれたため、早急な組織化が必要となりました。新メンバーが入ってからは、全員が同じレベルで活動を把握しているわけではなく、人や時期によって理解度やモチベーションに差があるため、全員が同じ方向を向くように調整することが大変でした。
 「イベントに間に合うよう準備していくこと」については、特に出演者がなかなか決まらず、イベントの企画が止まってしまった時期が苦しかったです。時間をかけて企画書を作ってもオファーを断られ続け、モチベーションが下がってしまう時もありました。最初は、あまり現実を見ておらず、闇雲に進めていました。そこで、依頼先の情報をネットやYouTubeなどで調べ、「相手のメリットは何なのか」「どういうアプローチだと来てくれやすいのか」を相手の立場になって考えるようにしました。また、このイベントは大学や日本経済新聞社が協力・後援をしてくれており、押えるべきポイントがいくつかありました。ですが、来場者のターゲットが自分たち学生だったので、結局は「自分も興味を持てるもの」が一番大事かなとずっと思いながら、進めていました。


ミーティング前のアイスブレイクの様子

――メンバーのモチベーションを保つために、どんな工夫をしましたか?

 統括部(団体発足時の初期メンバー6人)で「ミーティング前のミーティング」をして、各メンバーの様子を共有し、一人ひとりに合う対応を考えていました。例えば、「ある班のリーダーが、班員にタスクを振り分けるのが苦手で、全部1人で抱え込んでしまっている」という話を聞いたら、まずは自分が振り分けをした状態で班長に仕事を渡すようにしました。次に、自分と班長で一緒に振り分けの練習をして、最終的には班長が1人でどんどん振り分けられるようになって…みたいに。
 また、全ての作業を「楽しく」できたらいいなと思っていたので、情報共有の際にただ伝えるのではなく、クイズ形式にして楽しく伝えたり、他の岡大生が運営している「The World Kitchen」や「エコナイト」などのイベントを一緒に見に行って参考にしたり、「楽しさ」重視で、誰も置いていかないように工夫しました。公式Instagramでは、「イベントまであと○○日!」みたいなカウントダウン動画などを載せていたのですが、それを全員で撮影しているときに一体感が増していると感じていました。「どうやって撮ろうか」と話し合うだけで、仲良くなっているなと。
 こういった工夫は、同じSDGsアンバサダーの、「Frontier School」代表の内田奏杜さん(内田さんの「SDGs Persons」記事はこちら)の話を参考にしたり、あとは団体を運営していく中で見つけたりしました。内田さんからは、「発足時のメンバー集めでは、『落ち着いている人』『思い切りが良く、どんどん進めていける人』など別々のタイプを集めると、良い感じになっていく」や、「懸案事項が複数あり迷ったら、『今すぐ考えないといけないこと』か『時間が経てば解決しそうなこと』のどちらなのか考えるようにする」といったアドバイスをいただきました。自分は、何でも「すぐに答えを出さないと」と焦ってしまうところがあるのですが、このアドバイスのおかげで「ちょっと待とう」と思えるようになりました。


「OU!万博」Tシャツを着用して円陣を組む様子
 

SDGsアンバサダーとの出会い

――SDGsアンバサダーには活動的な人が沢山いますね。髙橋さんがSDGsアンバサダーになろうと思ったきっかけは何ですか?

 岡山大学はSDGsに力を入れていますが、実は出身高校もSDGsに力を入れていたんです。初めは「なんか英語だし、めっちゃ堅そう」と思ったのですが、SDGsかるたをショッピングモールで広めたり、捨てられてしまう傘を集めてアンブレラスカイをしたりするうちに、「楽しく、自分でもできることがたくさんあるんだ」と思うようになりました。大学でも、SDGsをもっと楽しく考えられるようなイベントを開催したいと思い、SDGsアンバサダーになりました。


イベントにかけつけるSDGsアンバサダーの先輩方

――岡山大学がSDGsに力を入れている事を元々知っていたのですか?

 そもそも、岡山大学を志望したのには「防災や土木分野を学び災害に強いまちづくりをしたい」「SDGsを自分ごとと楽しく学べるようなイベントを開催したい」という理由がありました。小学5年生の頃、地元の茨城県が水害に遭って、自分の家も床上1メートルくらい浸水したんです。その時、沢山のボランティアが無償で家の泥を掃いてくださったのを見て、水害の怖さよりも「こんな人たちもいるんだ、凄いな」っていう感動の方が大きくて。中学2年生の頃、西日本豪雨があり、父と一緒に岡山で災害ボランティア活動をしたんです。そういった経験から防災に興味を持ち、土木について学べる「都市環境創成コース」を志望しました。


岡山城とともに
 

大盛況となったイベントは、いよいよ万博開催となる来年度へと続く

――イベント当日は、たくさんの来場者で賑わっていましたね。

 12月までは、準備が間に合うのか、来場者が来てくれるのか、常に不安でした。メンバーからも「お客さん来るか、大丈夫かな?」と聞かれることが結構あり、「大丈夫でしょ~」と返していましたが、内心全く自信がなくて、来場者が全然来ない夢を見ることもありました。12月から、チラシを8000部ほど印刷して市内の商店街や小中学校に直接配りに行き始めたのですが、そういう広報活動を通して段々不安が和らぎました。
 広報活動としては、日本経済新聞社主催の万博やSDGsのイベントにて、ブース出展やPRをさせていただいたり、Instagramの投稿や、大阪大学でのプレゼンテーション、ラジオや新聞への出演をしたりしました。また、関係者を増やすことも意識しました。例えば、地域の小学校の吹奏楽部や「うらじゃ」の団体にステージパフォーマンスを依頼すると、その親御さんは来場してくれるかな、と考えていました。他には、日本経済新聞社主催のイベントなどで万博を通してつながった人や団体には、メールを送ったりInstagramを交換したりして、関係を続けました。実際に、「おおきに」という立命館大学の団体が、12月のイベントでブース出展をしてくれました。


イベント当日(キッチンカー)の様子

――12月14日のイベントを終えて、活動や万博への思いは何か変わりましたか?

 イベントを終えて、まずはたくさんの出演者・来場者に万博を知ってもらうことができました。オープニングでダンスを披露してくれた小学生が、万博にちなんだグッズを身に着けてくれたことも嬉しかったですし、今まで万博を知らなかった人たちにも、イベントを通して知ってもらえたのがよかったと思います。
 自分自身、将来したいことがあまり見えていないのですが、万博について調べるうちに、「こんなこともできるんだ」や「こんな未来が待っているんだ」と知る機会が沢山あると気づきました。最初は万博に興味を持っていなかったのですが、今は万博をきっかけにもっと熱中できることを見つけたいと考えています。万博に懐疑的な人や興味が持てていない人も、ぜひ一度行ってほしいなと思います。


イベント当日(万博クイズ)の様子

――今後の展望を教えてください。

 元々「OU!万博」は2024年12月のイベントを成功させるために結成した団体で、イベント終了後は解散するつもりでした。今後、このイベントを越える大きいイベントはできないのではないかと思っていて、ここで解散する方が綺麗に終われると考えたからです。
 イベント終了後に、まだ団体の存続が決まっていないにも関わらず、多くのメンバーから「まだまだ続けたいです」「活動をやり切っちゃって、その後の学校や生活に集中できないです」との声があり、自分と同じくらい活動に熱中してくれていたことを嬉しく思いました。最初はモチベーションが低そうだと思っていたメンバーも、イベントが近づくにつれて人が変わったように頑張ってくれていて、そういったメンバーの成長や熱量を見るうちに、「まだまだ続けたい」「まだ万博も始まっていないのに、ここで団体を解散するのはもったいない」という気持ちが出てきました。統括部(団体発足時の初期メンバー6人)で団体継続への想いを共有したところ、6人とも同じ意見だったので、継続を決めました。
 来年度は、まずは新メンバーを沢山集め、「OU!万博」に携わってくれる人をもっと増やしたいです。また、5月頃に、メンバー全員で万博に行きます。2024年12月のイベントに登壇してくださった、「万博マイスター・二神敦さん」も同行してくださるので、絶対楽しいものになると思うんです。活動面では、「おかやまSDGsフェア」で万博をPRすることや、岡山県が万博へ出展する際の手伝いなどを予定しています。そういった活動を年間通して行い、2025年の冬に、万博でつながった人たちと一緒に「地域のwell-beingをつくるためのイベント」をしたいと考えています。


岡山イオンでの万博宣伝活動の様子

――最後にメッセージをお願いします!

 「OU!万博」はこれまで、万博に行きたくなるよう事前に盛り上げる活動をしてきました。今年は万博がついに開催される年で、今年しかできないような活動がたくさんある事が、醍醐味なんじゃないかと思っています。これからもメンバーと一緒に、「楽しい」を忘れずにワクワクできる活動を、万博を通してたくさんしていきたいです!

――髙橋さん、ありがとうございました!

© Okayama University

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