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本学と日本学術会議若手アカデミーは共催で8月31日~9月1日、国連の持続可能な開発目標「SDGs」について理解を深めるシンポジウムとワークショップを開催しました。今回は「社会の一員としての大学でこれから必要とされる考え方は-国連の持続可能な開発目標を通じて考える」をテーマに、SDGsに取り組む学術の在り方や、岡山の地に根ざした取り組みとその役割について議論を深めました。
シンポジウムには大学、高校、県や市、企業、市民団体等から約200人、ワークショップには50人を超える研究者、高校教員、大学生、高校生、県や市の関係者、日本学術会議若手アカデミー関係者らが参加しました。
シンポジウムでは、槇野博史学長からのあいさつののち、政策研究大学院大学の有本建男教授、科学技術振興機構の大竹暁上席フェロー、大原美術館の大原あかね理事長が講演。パネルディスカッションでは、日本学術会議若手アカデミーより北村友人氏、福永真弓氏、若手アカデミー副代表の狩野光伸本学副理事・大学院医歯薬学総合研究科教授、株式会社ベネッセコーポレーションより小村俊平・本学学長特別補佐、岡山市より流尾正亮氏が加わり、議論しました。このほか、横井篤文副理事・上級UGAが今年度内に継続して日本学術会議や国連機関等と連携したSDGsに関連する企画を開催していくことを公表しました。
2日間に渡り開催されたワークショップでは、狩野副理事がファシリテーターを務め、「教育」「医療」「環境」の3つのテーマに分かれて活発に討論しました。参加した高校生からの「自分自身が本当に学びたい世界の課題について学ぶには」という問いかけに、行政関係者、高校の教員、保護者など多様な立場の参加者が答えようとディスカッションするといった場面もありました。
ワークショップでは、議論の成果として提言をまとめました。同提言には、以下の4つが軸として盛り込まれました。
・SDGsに取り組む際に文化・学術の深みの重要性を再認識する
・多様なセクターから専門家の参加があるような対話の場を増やす
・SDGsにかかわるような仕事・学業を評価の対象にする
・教育において、SDGsを軸とした新たな動きを起こす
岡山の地は、本学などでつくる「岡山ESDプロジェクト」で、2016年9月にユネスコ/日本ESD賞を受賞。岡山市は2017年1月にユネスコ学習都市賞2017を受賞するなど、わが国を代表するESDの実践の場です。持続可能な社会づくりのための担い手を育てるESDは、SDGsの開発目標に取り組み、達成するための人材育成として位置づけられます。
こうした背景を踏まえ、本学は、「槇野ビジョン:しなやかに超えていく『実りの学都』へ」の下、SDGsと協同できる戦略づくりを進めます。この岡山でしかできない特色ある取り組みを継続しつつ、SDGsとも協同できる取り組みを発案推進し、地域と世界の課題解決を着実に進めていくとともに、本学の教育研究のイニシアチブ向上などを図っていきます。
資料はこちらからご覧いただけます。
SDGsを通じた学術を進めるために:提言
講演1「国連持続可能な開発目標と学術:国際から地域へ」/政策研究大学院大学 有本建男教授
講演2「国連持続可能な開発目標に取り組む学術への支援」/科学技術振興機構 大竹暁上席フェロー
講演3「土地のDNAが示す持続可能のための十八番」/大原美術館 大原あかね理事長
※「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals;SDGs):2015年9月に国連が開催した「国連持続可能な開発サミット」にて採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれている。人間、地球及び繁栄のための行動計画として、17の目標と169のターゲットからなる。
副理事(研究担当) 狩野 光伸
TEL:086-251-7970