本学工学部環境・社会基盤系環境マネジメントコースは8月25~29日、「OU course in the NTU-OU Exchange Program: Research Experiences in the field of SDGs Field Environmental Science」(以下、岡山大学コース)を開催しました。今回のプログラムには、環境マネジメントコースの2年生6人が参加し、国立台湾大学(NTU)からは学部生8人と引率教員の王昱力(Wang Yu-Li)准教授、事務職員の吳采玲(Wu Cailing)さんが来学しました。
開講式では、高橋規一工学部長による開催のあいさつの後、前田守弘環境マネジメントコース長によるコース紹介、本学大学院生による岡山の文化紹介が行われました。参加学生は8講義(講師:学術研究院環境生命自然科学学域(工)環より、前田守弘教授、近森秀高教授、西村伸一教授、九鬼康彰教授、藤原健史教授、福元豊准教授、柴田俊文准教授、松井康弘准教授)を聴講し、午後のラボツアーでは、最先端の研究活動に触れました。研究発表会では、講義やラボツアーで学んだことを他のグループや教員に向け紹介しました。また、フィールドトリップでは、児島湾締切堤防耐震工事の現場を訪問し、農林水産省中国四国農政局岡山南土地改良建設事業所の須山修二次長と増田洋美課長から、締切堤防耐震化工事の概要説明を受けた後、工事現場を見学しました。さらに、丸亀幹線水路、満濃池、小津守池水路を訪問し、同農政局四国土地改良調査管理事務所の田中一彦課長および株式会社ウエスコの齊藤光男氏から、農業水路における環境配慮工法や水生動物保全、世界かんがい施設遺産である満濃池の概要などについて説明を受けました。
また、岡山大学コースに先立ち、8月11~15日には、NTUコースが台北で実施され、本学からも岡山大学コースに参加した環境マネジメントコースの6人が参加しました。NTUコースでは、開講式、キャンパスツアーの後、水域における生物多様性と生態系機能、流域管理・モデリング・分析、循環経済技術・都市グリーン工学、不飽和土壌水浸透、土壌環境における温室効果ガス排出と炭素隔離、建築環境における気候変動対策、確率論を用いたリスク分析、河川生態系における健全性と生物多様性などの講義を受けました。さらに、自然茶園を訪問し、座学で学んだことの応用事例を見学しました。
本活動を通して、両大学の学生は環境研究の考え方や他大学の最新研究成果などについて学ぶとともに、他国の学生と英語でコミュニケーションできる楽しみを感じることができた様子でした。また、工学部や環境生命自然科学研究科がこれまで取り組んできた教育研究活動の成果をアピールする機会となり、今後の教員・学生交流や共同研究に向けた議論も進められました。これを契機に、工学部環境マネジメントコースでは、学生および教員の海外交流をより一層活発に進めたいと考えています。本交流事業は2022年度から毎年実施している双方向プログラムで、株式会社ウエスコから支援を受けています。