8月2日、3日の2日間、岡山大学ユネスコチェア特別講座「第3回おかやま夢育イニシアチブ」を開催しました。岡山大学と岡山県教育委員会が協働し、大学生と高校生の次世代がともに夢を育み主体的に学ぶ場を正課外活動で提供する事業で、岡山大学DS部(データサイエンス部)が運営、準備を行い開催しました。初日21人、2日目は10人の高校生が参加しました。
昨年8月に行った第1回のおかやま夢育イニシアチブは「夢・ありたい自分」をテーマにし、夢やありたい自分を問う課題で実施。3月の第2回イベントではそれに続く形で、「リアル・いまある自分」をしっかり見つめなおすことをテーマに、岡山大学生活協同組合のSDGs経営を実フィールドとして様々な課題や解決アプローチなどを発想・議論。今回の第3回は「岡山県産SDGsを発掘せよ!」をテーマに、岡山コンベンションセンターで開催された「おかやまSDGsフェア2023」に出展した企業や自治体などの様々な取り組みを調査し、気づきを発表しました。
全4チームに分かれ(各チームにDS部メンバー1人をメンターとして配置)、1日目の午前中は出展企業ブースを訪れ、様々な取り組みを調査しました。午後からは調査内容に基づき意見をまとめ、2日目に行うプレゼン資料を作成しました。
2日目は「おかやまSDGsフェア」内のステージで英語で発表しました。
1グループ目は、岡山市の天然記念物である「アユモドキ」について発表しました。知名度の低さや自然環境では生きられないことなど現在の課題を抽出し、それに対する目標を立てました。
2グループ目の発表は、前日に調査した企業の取り組みの中から、「募金型自動販売機」に着目し、高校生がSDGs活動に参加する上で障壁となっている問題を挙げ、企業に対して「高校生でも参加しやすい環境を作ってほしい」という提案を行いました。
3グループ目は「海に関するSDGs」をテーマに発表。様々な企業の取り組みをSDGsの17の国際目標と紐付けたイベントを企画・開催することで解決へと導くことを提案しました。
大学生のみで構成された4グループ目のテーマはフードロス。ホテルや飲食店で大量の食品が廃棄されている一方で、食品が不足している家庭が増えている問題を取り上げ、岡山の地ならではの特色を生かしたユニークな解決策を提案しました。
参加した高校生は、英語でのプレゼンテーションに緊張している様子でしたが、発表後に英語で交わされる質疑応答にもしっかり向き合い、自分の言葉で回答しました。英語で発信するからこそ表現できるグローバルな視点に触れる機会となりました。
プレゼンテーション後には「残したい自然」「大学って何?SDGsって何?」と題して2つのパネルディスカッションが行われ、高校生とDS部のメンバーはそれぞれの視点から意見を交わしました。人との出会いが刺激となり成長につながること、地に足をつけて自分の現在地を確認することなど、先輩たちからのアドバイスに、参加した高校生は熱心に聴き入っていました。
最後に野上教授が「SDGsは人間がやるべきことであり、それを実現するために対話する場としてダイバーシティが重要。大学とは、SDGsを達成できる人を育てる場所だからこそ多様性が必要不可欠である」と締めくくりました。
スタディツアーで企業の取り組みについて説明を聞く高校生ら
意見まとめの様子
プレゼンテーションの様子
パネルディスカッションの様子
本件問い合わせ先
学術研究院環境生命自然科学学域
教授 野上保之
E-mail:nogami-y◎cc.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置きかえています。