岡山大学と国連貿易開発会議(UNCTAD)による「途上国からの若手女性研究者のための共同研究・研修コース(短期プログラム)」が、国連の『第8回持続可能な開発目標(SDGs)のための科学技術イノベーション(Science, Technology, and Innovation:STI)に関するマルチステークホルダーフォーラム(STIフォーラム)』で、STI分野におけるジェンダーギャップに関する世界的なイニシアチブ「“SHE in STI” – Addressing the gender gap in Science, Technology and Innovation: Select initiatives from UN system entities-」の代表的な事例の1つとして国連より選ばれました。本事例を含む選ばれたイニシアチブは報告書に掲載され、5月3日、4日に開催された本フォーラムの会期に合わせ、ニューヨークの国連本部ビルにて「”Women in STI” Exhibit」として展示されました。
持続可能な開発目標(SDGs)のためのSTIに関する国連機関間タスクチーム(IATT)によって取りまとめられた本報告書は、IATTに加盟するUNCTADを含んだ14の国連機関がSTIの分野で女性のエンパワーメントと積極的な参加を加速させるための取り組みやアプローチの多様性を紹介したもので、全世界のあらゆるステークホルダーに対してインスピレーションを与えることを期待して作成されています。
本学とUNCTADは 、2020年1月にSDGs達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)の人材育成に向けて、大学としては世界初となるMoU(包括連携協定)を締結し、この協定に基づき「途上国からの若手女性研究者のための共同研究・研修コース(短期プログラム)」および「途上国からの若手研究者のための博士課程学位プログラム(長期プログラム)」を実施し、これまで21人の若手女性研究者と3人の博士課程進学者を受け入れてきました。それらの実績を踏まえて、今年の1月31日には、UNCTADテクノロジー・ロジスティックス局長であるシャミカ・シリマン氏が来日、本学にて教職員・地域の方に向けた特別講演会を行いました。さらに3月29日には、本学の横井篤文副学長(グローバル・エンゲージメント担当)・ユネスコチェアホルダーが国連の「開発のための科学技術委員会(CSTD)」年次会合のメインセッションに登壇し、本プログラムを加盟国へ向けて発信するなど、これまでの協力関係を深化発展させてきました。
本学はこの事業を契機に、STI for SDGsを実施運営する国連の中枢期間であるUNCTADとの連携を強化し、途上国におけるジェンダーギャップの改善を踏まえたSTI for SDGsの人材育成の取り組みを岡山から世界へ先導し、国内外に発信していきます。