1月31日に、国連貿易開発会議(UNCTAD)テクノロジー・ロジスティクス局長であるシャミカ・シリマン氏が来学しました。
本学と国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2020年1月に、SDGs(持続可能な開発目標)達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)の人材育成に向けて、大学としては世界初となるMoU(包括連携協定)を締結。この協定に基づいて、「途上国からの若手女性研究者のための共同研究・研修コース(短期プログラム)」と「途上国からの若手研究者のための博士課程学位プログラム(長期プログラム)」の2つの人材育成プログラムを実施しています。
今回の来学は、約3年に渡るこれまでの交流が評価され、実現しました。
シリマン局長は、数日前に竣工したばかりの共育共創コモンズ(※)で、「技術革新の波を捉える‐公平性のあるイノベーション」と題して、本学学生・教職員、地域の方や高校生ら約100人の参加者に対して特別講演を行いました。局長からは「私の講演が、フロンティアテクノロジーに関連して先進国と開発途上国の間にある格差をなくすために、また、これらのテクノロジーにより誰をも排除しない持続可能な社会へと導くために、政府、企業、市民社会、国際社会ができることについて、より良いアイデアを提供できることを願っています」等とのお話があり、参加者が熱心に耳を傾けました。
また、短期プログラムの研究成果発表会がハイブリッド形式で行われ、今年度、同プログラムに参加している13人(南アフリカ8人、ガンビア2人、エジプト、タンザニア、フィリピン各1人)がシリマン局長、槇野学長らの前で、オンラインまたはオンサイトで本学での研究成果を発表しました。局長からは「多くの開発途上国では、科学技術分野の研究者を養成するための資源が不足しています。本プログラムでは既に多くの若手女性研究者が岡山大学で貴重な研究経験を積み、新しい知識やスキル、人的ネットワークを母国へ持ち帰っていることに大変感謝していますし、参加者の皆さんが将来、科学技術分野で活躍されることを願ってやみません」とのコメントがあり、発表を行った研究者達を激励しました。
そのほか、シリマン局長は、学長をはじめ役職員との意見交換やUNCTADとの連携プログラムの参加学生や研究者との交流セッションにも出席し、2つの人材育成プログラムの成果について実際の対話から理解を深めました。
本学は今回のシリマン局長の来学を契機に、STI for SDGsを実施運営する国連の中枢機関のUNCTADと連携を更に強化し、当該分野における人材育成の取組を岡山から世界へ推進し、国内外に発信していきます。
○国連貿易開発会議(UNCTAD)
1964年に設立。ジュネーブに所在する、貿易と開発、金融、投資、技術、持続可能な開発の関連問題に総合的に対応する国連の中心的な機関です。途上国の貿易、投資、開発の機会を最大化し、グローバリゼーションから生じる問題に直面する途上国を支援し、対等な立場で世界経済へ統合することを目的としています。
※「共育共創コモンズ」…岡山大学特別招聘教授の隈研吾先生監修により2023年1月20日に竣工。愛称はOUX【オークス】。カーボンニュートラル・脱炭素社会に貢献する環境に優しい、CLT(Cross Laminated Timber)を活用した木造建築で、地域の産業活性化のための新たな交流と共創の場として大規模講義室と共同研究拠点としての「共創ラボ」機能を兼ね備えています。
表敬訪問の様子 ※撮影時のみマスクを外しています
研究者・学生らとの交流セッション
講演するシリマン局長
研究成果発表会での集合写真 ※撮影時のみマスクを外しています
VIDEO
本件問い合わせ先
国際部国際企画課
TEL:086-251-7036