フランスソルボンヌ大学のロスコフ生物学研究所を本学代表団が訪問

 10月28日にフランスソルボンヌ大学のロスコフ生物学研究所を本学の横井篤文上席副学長・ユネスコチェアホルダーと坂本竜哉牛窓臨海実験所長・ユネスコ副チェアらが訪問しました。

 本学の持続可能な開発のための研究と教育のためのユネスコチェアでは、SDGsの「ゴール14海の豊かさを守ろう」に関連したユネスコの海洋科学のための10年に取り組んでいる牛窓臨海実験所が、欧州トップの臨海施設であるロスコフ生物学研究所との連携を進めています。

 ロスコフと牛窓は潮位の干満差が引き起こす環境の中で育つ生物が豊かで、どちらにも体内に藻類を共生させる無腸動物(※1)が生息しています。環境適応などの相違に関する調査研究を連携して行えるため、本学から博士後期課程の大学院生、坂上登亮さんを今年の9月からロスコフ生物学研究所のザビエル・バイリ部門長の元に派遣し、国際共同研究が行われています。この研究で注目する無腸動物共生系は、動物が供給する二酸化炭素や老廃物を共生藻が再利用するミクロ生態系であり、カーボンニュートラルに必須のブルーカーボン(※2)の生体モデルと期待されます。また、来年2023年4月には、バイリ部門長が本学に客員研究員として2カ月訪問することも決まっており、両者の連携がさらに進むことが期待されます。

 訪問時には、ソルボンヌ大学の国際担当のインターナショナルリレーションズの副部局長であるソニア・カラビナ教授と岡山大学I-Mac プログラムの学生交流担当をしているアンリセ・ポケット准教授が同席し、ソルボンヌ大学と本学との学生交流の成果と今後の計画等の説明がありました。

 なお、パリの大学キャンパスには、坂上さんと同様に3人の学生が留学しています。

 ソルボンヌ大学(Sorbonne University、フランス語: Sorbonne Université)は、フランス・パリの公立研究大学。2018年にパリ第4大学とピエールエマリーキュリーパリ第6大学、および小規模な機関が合併統合して創立されました。学生数約5万人、留学生約1万人、教員約3,300人、人文・社会学系、理工系、医療系の分野を擁するワールドクラスの総合研究大学です。本学は2014年より大学間交流協定の包括協定を締結しており、学生交流に関しては理工系の分野で、これまで45人の修士学生を受け入れています。

※1 無腸動物:
 消化器系や循環器系を持たない単純な体制の原始左右相称動物。体内に藻類を共生させ栄養などを交換する種が見られる。牛窓とロスコフには藻類共生性の近縁種が生息し、これらは行動パターンなどに違いが見られ、環境適応の良いモデルとなる。

※2 ブルーカーボン:
 海域の生物によって吸収・貯留されている炭素。地球上の生物により固定される炭素のうち 55% とされ、地球温暖化対策において世界的に注目されている。ロスコフの無腸動物のバイオマスは非常に大きく、ブルーカーボン生態系に重要であると思われる。
 

ロスコフ生物学研究所

カラビナ副部局長(左)と横井上席副学長

坂本臨海実験所長(右)

ザビエル・バイリ部門長(左)と坂上さん

本件問い合わせ先

国際部国際企画課
TEL:086-251-8326

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