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本学は6月11日、新工学部設立と、その目玉の一つである環境・社会基盤系都市環境創成コースに「建築教育プログラム」を新設したことを記念して、隈研吾特別招聘教授による講演会をオンラインで開催しました。
本学は4月1日、従来の「工学部」と「環境理工学部」を再編統合して、Society5.0 for SDGsの実践教育をスローガンとする新工学部をスタートさせました。本講演会はその記念として、世界的建築家であり、本学特別招聘教授の隈研吾氏を招いて開催。新型コロナウイルス感染症対策のため、オンライン配信のみで行い、本学学生や関係者、一般の方など約1,300人が参加しました。
開催に先立ち、槇野博史学長があいさつを述べ、隈氏に対して、本学における初めての建築系の教育プログラムの構想を実現するために多大なご助言をいただいたことの謝辞を述べたほか、「本学は、『新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学』として、地域や企業の皆さま方とのパートナーシップを基にさまざまな共創活動に取り組んでいます。今後も更なるSDGsへの貢献を目指し、新工学部を含む全学を挙げた教育研究・社会貢献の実践を推進していきます」と話しました。
隈氏による講演では、建築家を目指すきっかけとなった代々木競技場の吊構造とその「高さ」に衝撃を受けた子ども時代のお話や、大学生時代の恩師から「自分で何かやらなければ、人は何もしてくれないんだ」という人生訓を教わり今でも感謝していること、憧れだったアフリカの旅では、「人を信じれば相手もこちらを信用してくれる」と肌で学び、それが今の仕事にも役立っていることなど、貴重な体験談をお話しいただきました。
他にも、中国の万里の長城の隣に建てた「竹の家」や、栃木県珂川町の自然豊かな景観に溶け込むよう平屋建てに切妻の大屋根を採用し、地元産の八溝杉による格子(ルーバー)に包まれた「広重美術館」などの、国内外で設計に携わった建築作品を紹介。従来のコンクリート打ち放しやガラス張りの透明な建築などに違和感を覚え、竹や木を使用した日本の伝統建築を取り入れた建築設計に移行していったことなど、建築を学ぶ上で心構えや哲学を熱心にお話しいただき、建築家を目指す学生たちに向けてエールを送って下さいました。
その後、都市環境創成コースの学生との懇談会も実施。学生の代表者3人から、CLT技術に関することや、建築デザインの発想はどこからくるのか、といった質問があがりました。今後授業などでお世話になる隈研吾建築都市設計事務所の大庭晋先生、荒木海威先生、茂中大毅先生から、学生に向けて励ましの言葉をいただきました。また、隈先生が設立された隈研吾建築奨学財団の紹介もあり、建築家を目指す若者の支援活動について紹介いただきました。
○講演会出演者
・あいさつ:槇野博史学長
・講演会司会:菅誠治工学部長
・講演者:隈研吾特別招聘教授
・学生との懇談会司会:綾野克紀副理事(イノベーションコモンズ担当)
自然系研究科等総務課長 原田大作
TEL:086-251-8002