ミャンマーにおける口腔がん検診

取組概要

 口腔がんは、本邦においては、がん全体の約1-2%程度といわれているが、ミャンマーなどの噛みタバコの習慣のある国では、5大がんあるいは6大がんのひとつであるといわれるほど、高率に口腔がんが発生する。従って口腔がんの早期発見は、きわめて重要である。岡山大学は、岡田名誉教授や木股教授らが行ってきた国際医療貢献の歴史がある。われわれは、岡山大学としてさらなる国際貢献活動の一環としてミャンマーで口腔がん検診を行ったきた。ミャンマー歯科医師会、People Health Foundation、およびNPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会(岡田理事長)のご協力により、2015年パーン、2016年モーラミャイン、2017年タウンジー、2018年バゴーで、口腔がん検診をおこなった。診断は、ミャンマーの歯科医師とわれわれが、双方で行い、また噛みタバコや喫煙の生活習癖も調査した。
 

取組効果・成果

 第1回ー第3回までの口腔がん検診のがん発見率は、かみたばこあるいは、喫煙のリスク群154名において、3.2%のがん発見率であった。第4回のバゴーにおいては、コロナ関連およびミャンマーの政情不安の状況により、病理検査の追跡調査ができていないが、第1-第4回までの263名のリスク群においては、がんおよび前がん病変の発見率は、6.8%であった。将来的には、ミャンマーだけの問題でなく東南アジアやインド等の噛みたばこ習慣のある国々に発展させる必要がある。
 

SDGs達成への貢献度

 英文誌にも報告し、噛みたばこ防止教育および禁煙の重要性を報告している。
 

新規価値創造性

 口腔癌の予防、早期発見の重要性、検診の重要性を噛みたばこ習慣のあるミャンマーにおいて認識させた。このことは、噛みたばこ習慣のある東南アジアやインドにもいえる共通の新規価値の創造といえる。
 

協働性

 ミャンマー歯科医師会、People Health Foundation、NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会(岡田理事長)、ヤンゴン歯科大学、岡山大学の共同によって、日緬共同プロジェクトの口腔癌検診が実施された。医科のみならず、歯科においてもミャンマーの医療向上に貢献できた。
 

持続可能性

 現在、ミャンマーは政情不安の状態が続いている。しかし、政情不安解消後は、この活動を継続したいとミャンマー側の歯科医師、日本側のわれわれも考えている。また、インド等のアジア諸国も噛みたばこの問題があり、この活動をアジアの国々に広げてゆけばより持続可能性は広がる。(タイトルを噛みたばこ習慣のあるアジアの口腔がん検診にすればより持続可能で発展性がある。)


◎本取組は2022年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)優秀賞を受賞しています。取組発表会の様子は以下の動画でご覧ください。

令和4年度岡山大学SDGs推進表彰(President Award)取組発表会「ミャンマーにおける口腔がん検診」
 

口腔がん検診

BQC:Betel Quid Chewing ビンロウの咀嚼

Betel Quid ビンロウの実を水で練った石灰などとともにキンマの葉で包んだもの

がん検診受診者

Betel Quid Chewing 常習者の口腔内

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