送電ロスをゼロへ「室温超電導」を追究

  • 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 13.気候変動に具体的な対策を

 発電所から家庭や工場へ電気が送られる時、電線の電気抵抗によって送電ロスが生じる。その量は総発電量の約5%、日本全体で原子力発電所数基分の電力が失われている。超電導体を用いると、このロスをゼロにできる。超電導とは、金属や合金の電気抵抗が、ある温度以下でゼロになる現象である。しかし、超電導に転移する温度が非常に低いという問題がある。本研究では、より高い温度で超電導になる新物質を開発する。これまでに、鉄系超電導体としては世界で2番目に高い、摂氏マイナス226度で超電導に転移する物質を開発した。さらに、レアアースの含有量を従来の25%から5%以下へ削減し、コストを抑えることに成功した。より高い温度、できれば室温で超電導を示す物質を開発することが目標である。

 また、社会では、全エネルギーの約70%が「排熱」として環境へ捨てられている。例えば、発電所、自動車のエンジン、お風呂の残り湯である。本研究では、排熱からの発電を可能にする熱電材料を開発する。これまでに、市販材料と比べて1.5倍の発電電力性能を持つ物質を開発し、そのメカニズムを解明した。より安価な元素を用いて高性能熱電材料を開発することが目標である。

 これらの技術が実用化されれば、エネルギーの利用効率が高まり、温室効果ガスの排出量が削減され、地球温暖化の防止に繋がることが期待される。  

参照URL

http://www.physics.okayama-u.ac.jp/nohara_homepage

 

 

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