発展途上国における数学の振興

  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 1.貧困をなくそう
  • 10.人や国の不平等をなくそう

数学におけるノーベル賞と言われるフィールズ賞受賞者の中には、アメリカやヨーロッパで教育を受けたベトナム人、イラン人などがいる。これは発展途上国におけるラマヌジャンのような研究者の人材資源の豊富さを示すものであろう。今後、日本がそのような国の研究者と共同研究の基礎を作っていくことは日本の数学発展のためのみならず、高度な先進研究が進んでいない発展途上国にとっても有益なことであり、SDGs の 1、4、10 等の目標と合致する。理学部数学科では、この数年以内においても中国・韓国・台湾等の近隣諸国は言うに及ばす、トルコ・メキシコ・ルーマニア・イラン・タイ・ベトナム・インドネシア・エジプト等の国々で講演をしたり、また共同研究等を行ってきた。

 
理学部数学科としては今後も発展途上国で開催される研究会やワークショップなどに積極的に参加・支援・招聘等を行っていくことにより、日本と発展途上国の人的つながりを構築することは、日本の科学や産業の発展や開発途上国における産業育成・貧困の解消にも大きな役割を果たすであろう。日本においても諸外国からの多様な人材を確保することは、人工知能やIT技術等の科学技術に必要とされる数学の力(問題を抽象化・普遍化して解決する力)を発展させるために必要なことであることは米国の例から学ぶことができる。


具体的には、これまで理学部数学科で中国・韓国・マレーシア等の学位取得を目指す大学院生を受け入れてきた実績があり、今後とも毎年、発展途上国の大学院学生の受け入れていく。また、上記の発展途上国との研究・教育の交流を、今後とも定期的に行い、さらに発展させた枠組み作りや提携に取り組みたい。

 

 

背景

発展途上国では、これまで数学のような学問に投資が行われて来なかったが今後の発展に必要な時代になってきた。

 

課題

日本も欧米のように先進国として発展途上国の数学・科学の振興や教育に深く関わっていく必要がある。

 

日本における数学の伝統
 日本の数学は高木貞治以来、近代数学の礎が作られ、戦後大きく開花して、国内及び国外で活躍する多くの世界的な数学者を輩出している。ウォール街の理論的基礎となる伊藤の補題を考案したのも日本人である。このように最近まで数学は日本のお家芸であり、必ずしも十分に設備や資金に恵まれていない状況でもその人的資源を生かして発展の礎を築くことが可能である。

担当者