アフリカにおける人獣共通感染症サーベイランス

  • 3.すべての人に健康と福祉を

地球規模の様々な変化により感染症の発生頻度が高まっている。多くは自然界の動物に寄生する病原体が、人間社会に侵入して被害をもたらす人獣共通感染症である。 2014 年に西アフリカで大流行したエボラウイルス病は記憶に新しい。その対策は喫緊の課題であるが、人間社会への侵入経路が特定できない流行が多く、中には病原体が自然界で生存するために必要な自然宿主が特定されていない感染症もあるため、一筋縄ではいかない。 本取り組みでは、人獣共通感染症の発生頻度が高いアフリカでサーベイランスを行い、人獣共通感染症の先回り対策を講じる事を目指す。
具体的には、現地で実装可能な診断法を確立し、野生動物や家畜を中心とした調査を行う。調査により、病原体の人間社会への侵入経路やそのリスクが明らかとなるだけでなく、自然界での生態が明らかではない病原体の自然宿主解明や新規病原体の発見も期待される。調査は国内および現地の共同研究者と共に実施し、知識や技術支援を積極的に行うことで自国で人獣共通感染症対策を実施できる体制をサポートする。また、検出された病原体の遺伝子情報を活用し、分子生物学的手法による人獣共通感染症治療および予防法の開発を試みる。現在、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)にも参画している。
国内外の共同研究者と連携することで、国際的な人的ネットワーク構築および感染症対策に貢献できると期待される。

 

様々な人獣共通感染症の感染経路に関与しているコウモリの疫学調査(筆者の現地野外調査風景)

 

現地の共同研究機関スタッフへの技術指導

 

担当者