敗血症の早期診断法と治療薬開発

  • 3.すべての人に健康と福祉を

背景

敗血症は、世界的な死因の第1位を占め続けている。呼吸・循環系の集中管理法や抗菌薬が進歩した現在でも、敗血症性ショックや随伴する多臓器不全で死亡する患者は、先進国ICUでも敗血症患者全体の約25%を占める。そのため、世界敗血症会議では敗血症の制圧に向けた世界的キャンペーンを展開中である。
最近西堀らの研究グループは、敗血症患者では血漿タンパクHistidine-rich glycoprotein(HRG)が特異的かつ著明に低下していることを明らかにした。さらにHRGは、現行のマーカーである血中プロカルシトニンとプレセプシンよりも敗血症の診断感度が高く、予後予測に優れた血中マーカーであることを示した(Crit care Med, 2018; EBioMedicine, 2016)。

 

HRGの臨床検査法、診断法、治療薬に関する基本特許

好中球活性化に起因する疾患の治療薬、治療方法及び検査方法(岡山大学/西堀ほか):特許第5807937号, 特許第6227601号, 米国登録US9504731, US9696321

 

目的・概要・期待される成果

これらの背景をもとに、現在、岡山大学と日本血液製剤機構が共同で、補充療法用の血漿HRG製剤の開発研究に取り組んでいる(AMED ACT-M採択研究)。一方、早期体外診断法の開発研究が、大手製薬企業との共同で進行中である。これらの実用化が実現すれば、患者死亡率の低下、患者QOLの改善に大きく寄与するとともに、世界保健への貢献につながると期待される。

敗血症病態の新しい理解
好中球の形態に対するHRGの効果
(Wake et al, EBioMedicine, 2016)

 

参考URL

http://www.okayama-u.ac.jp/user/pharmaco/

 

担当者